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「敵から友」への舞台提供=米朝首脳会談で―ベトナム

2019-02-09 15:41

【ハノイ時事】米朝首脳会談がベトナムの首都ハノイで27、28両日に開かれることが決まった。米越両国はベトナム戦争での敵同士から一転、現在では中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題で連携する「かつての敵はきょうの友」の関係。ベトナムは旧敵との和解が経済発展に結び付く最良の事例として、会談の舞台を提供する。
複数の関係者によると、米国が開催地としてベトナム中部のダナンを提案する一方、ベトナム政府はハノイに大使館を置く北朝鮮の事情も踏まえてハノイを希望。最終決定には警備の責任を負う開催国の意向も考慮されたとみられる。
ベトナムは米朝両国と外交関係を持つ強みを生かして、首脳会談の開催を働き掛けてきた。朝鮮半島情勢に関し「平和と安定に積極的な役割を果たす」(外務省報道官)ことで、国際社会で存在感を向上させる狙いがある。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄・金正男氏が2017年2月に殺害された事件で、ベトナム籍の女が実行犯として逮捕・起訴されたことを機に悪化した北朝鮮との関係についても、昨年11月の北朝鮮の李容浩外相の訪越を受け入れて修復。グエン・スアン・フック首相は李外相に対し、改革・開放政策「ドイモイ(刷新)」を採用した1980年代後半以降の経験を共有する考えを伝えた。
また、開催地についても米国の考えと一線を画し、「米国寄り」との印象を回避した格好だ。「バランス感覚が鋭い」(外交筋)と評されるベトナムの本質が表れたとみてよい。
[時事通信社]

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