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歳出膨張、増税で賄えず=国債抑制は特殊要因頼み―19年度予算案

2018-12-19 18:05

政府は21日に閣議決定する2019年度予算案で、新規国債発行額を32兆6598億円とし、前年度から約1兆300億円減額する。国債発行額の抑制は9年連続。安倍晋三首相は「経済再生と財政健全化を両立する」と強調したが、税収の伸びを上回って歳出は膨張しており、特殊要因である税外収入の積み上げで何とか帳尻を合わせているのが実態だ。
当初予算案は、高齢化に伴う社会保障費増のほか、19年10月の消費税増税に備えた臨時措置として2兆円規模の景気対策を盛り込むため、歳出総額が前年度から約3兆7000億円拡大。一方で、増税や景気回復を受けた税収増は約3兆4000億円にとどまる。消費税率を上げるにもかかわらず、税収増だけでは膨らむ歳出を賄うことができない。
このため政府は預金保険機構が保有する利益剰余金約8000億円を国庫に入れるなどして、税外収入を前年度から1兆3600億円増額。このうち約3000億円で歳入不足を補い、残る約1兆円を国債発行の減額に充てる。
利益剰余金などは一度使えばなくなる「埋蔵金」とも呼ばれ、翌年度以降は当てにできない財源だ。米中貿易戦争の影響で経済の先行きに不安がくすぶる中、予算案に盛り込んだ景気対策を予定通り打ち切れるかも不透明だ。財政再建を軌道に乗せるには、社会保障の負担と給付の見直しをはじめとする痛みを伴う歳出改革が課題となる。
[時事通信社]

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