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「多次元統合」で新領域対処=宇宙・サイバー強化―「空母」初保有へ・防衛大綱

2018-12-18 18:57

政府は18日の国家安全保障会議と閣議で、新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画(中期防、2019〜23年度)を決定した。宇宙・サイバー・電磁波といった新領域の対処力強化を急務とし、従来の陸海空各自衛隊を含む全ての能力を融合した「多次元統合防衛力」の構築を打ち出した。事実上「航空母艦」を戦後初めて保有する方針も明記し、5年間の予算総額は27兆4700億円と過去最大を更新した。
大綱は今後10年程度の国防の指針を掲げ、これを具体化する中期防は装備品調達目標などを示す。改定はともに5年ぶり。菅義偉官房長官は18日の記者会見で「現下の厳しい安全保障環境を踏まえ、真に必要な防衛力を示した」と述べ、着実な実施を表明した。
新大綱は電子戦など新領域での優位性確保が「死活的に重要」と指摘。宇宙領域専門部隊の新設やサイバー防衛部隊拡充などを盛り込んだ。
また、現代戦について「軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にしたハイブリッド戦」が展開されていると分析。全能力を融合して相乗効果を発揮する「領域横断(クロス・ドメイン)作戦」の必要性を訴えた。
「空母」保有は中国の太平洋進出をにらみ、手薄な防空体制を強化する狙い。海自最大の「いずも」型護衛艦を事実上空母として運用できるよう改修。艦載機用に短距離離陸・垂直着陸(STOVL)能力を持つ米最新鋭ステルス戦闘機F35Bを導入する。
改修後の位置付けは「多機能の護衛艦」とし、F35B運用のケースは「有事における航空攻撃への対処、警戒監視、訓練、災害対処等」とした。岩屋毅防衛相は18日の会見で、米軍との共同訓練時や事故などの緊急時、米軍機の発着も「あり得る」と語った。
[時事通信社]

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