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ゴーン再逮捕

革新機構の高額報酬案で混乱=「失態」認めるも収拾つかず―経産省

2018-12-04 19:00

官民ファンド「産業革新投資機構」(JIC)の役員報酬をめぐり、政府内の高額批判を受けて当初案を撤回した経済産業省とJICの対立が表面化した。世耕弘成経産相は4日、もともと同省がJICに提示した報酬案を撤回したのは「失態」だったとして、嶋田隆事務次官と自身が給与の一部を自主返納するなどと説明、報酬引き下げに理解を求めた。だが、約束をほごにされたJICとの信頼関係は「極めて深刻な状態」(世耕氏)にあり、混乱は当面収まりそうにない。
今年9月に発足したJICの役員報酬案は、経産省が「米欧や中国勢と競える人材を集める」としてJICに内示。大手銀行グループ出身の田中正明社長ら首脳クラスには、年1500万円の固定報酬に加え、最大4000万円の短期業績連動報酬と最大7000万円の長期業績連動報酬を支給するとの内容だった。
しかし、政府内から「高過ぎる」との批判が噴出し、経産省はこの案を撤回。JICはこれに納得せずこの報酬内容に基づく予算案を申請、経産省が不認可とする事態となっている。
最大1億円を超える当初の報酬案について、外資系民間ファンド幹部は「固定で1500万円、業績次第で1億円超というのは業界内では高くはない」とみる。ただ、世耕経産相は「官民ファンドは国の資金が前提で、資金集めの苦労が民間ファンドとは異なる」と主張。JIC役員にグローバルな民間ファンド並みの高額報酬を出すのは難しいとの認識を示した。
双方の対立が表面化する直前には、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者による巨額報酬の隠蔽(いんぺい)疑惑が問題化。この影響で、政府はJIC役員の高額報酬を認めにくくなったとの見方もある。JIC子会社の社外取締役も務める日本商工会議所の三村明夫会頭は4日、双方の言い分は理解できるとした上で、「どう決着するのか慎重に見守っている」と話した。
[時事通信社]

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