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サウジ疑惑

国王・皇太子、基盤固め腐心=記者殺害で威信失墜に危機感―サウジ

2018-11-08 14:20

【カイロ時事】記者殺害事件に揺れるサウジアラビアで、サルマン国王(82)とムハンマド皇太子(33)が求心力の誇示に腐心している。国王は6日から、約1週間にわたる即位後初めての大規模な国内視察を開始。事件への関与が疑われる皇太子の活動も、国営メディアを通じ連日報じられている。事件の余波で王室の威信が失墜する事態に危機感を抱き、改めて王族や国民の忠誠と支持を固める狙いがあるとみられる。
国王は最初の視察先の中部カッシム州で、教育やインフラ開発など総額160億リヤル(約4800億円)超の事業計画を発表。刑事事件以外で有罪となり破産状態となった受刑者の釈放を命じ、債務は国が肩代わりする方針も示した。視察の一部には皇太子も同行。同州当局者は国王への感謝と支持を表明した。
一方、皇太子は5日、サウジ初の研究用原子炉開発や再生可能エネルギーの普及など七つの戦略計画を始動させ、大々的に報じられた。「改革者」としての姿だけでなく、中東の覇権を争うイランに原子力開発で対抗する形で「強い指導者」を演出し、「次期国王」の盤石な権力基盤を見せつける思惑も透けて見える。同じ日には隣国イエメンの内戦介入で負傷し入院中の兵士らを慰労。感極まって皇太子に抱きつく負傷兵もいた。
[時事通信社]

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