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サウジ疑惑

殺害の記者、皇太子を警戒=「身に危険」でサウジ脱出―10年来の友人証言・トルコ

2018-11-03 05:58

【イスタンブール時事】トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館で殺害されたサウジ人記者ジャマル・カショギ氏の10年来の友人である男性(43)が2日、イスタンブールで時事通信の取材に応じた。男性はカショギ氏が生前、サウジのムハンマド皇太子による弾圧を強く警戒し、「身に危険を感じた」ことから米国に脱出していたと証言した。皇太子はカショギ氏の存在を煙たく思っていたとされるが、カショギ氏も皇太子に恐怖心を抱いていたことが浮き彫りになった。
カショギ氏は以前はサウジ国内で比較的自由に活動できていたが、この男性によると、2016年末にはメディアでの発信を禁じられた。17年1月にサウジ西部ジッダで面会した際のカショギ氏は「誰にも何も話せない」と落胆した様子で、当時副皇太子だったムハンマド氏が政権内で急速に台頭していたことを念頭に「新しい人が自分を嫌っている。恐怖を感じる」と述べたという。
カショギ氏は、ムハンマド氏が皇太子に指名された後の17年9月、米国に渡った。男性はその直後にイスタンブールでカショギ氏と再会。「何かサウジ政府と取引があって渡米したのか」と尋ねると、「逮捕されるという情報があり、身に危険を感じたので出国した」と話した。連絡を取ったのは今年8月21日、携帯電話のメッセージで「また会おう」と約束し合ったのが最後だった。
男性はカショギ氏について「人柄はとても穏やか。反体制派ではなく、体制の中から物申すという立場だった」と振り返る。それ故にサウジ国内外で幅広い層への影響力があり、「体制側は、筋金入りの反体制派よりもかえって脅威と感じたのではないか」と殺害された理由を分析した。
また、ムハンマド皇太子がカショギ氏をイスラム組織「ムスリム同胞団」のメンバーとみて危険視していたとの米ワシントン・ポスト紙の1日の報道について、「彼は(駐米大使など要職を歴任した)トルキ・ファイサル王子の顧問だった。サウジで同胞団がそのようなポストに就くことはあり得ない」と指摘し、「皇太子が気に食わない人物にテロリストというレッテルを貼ったにすぎない」との見方を示した。
[時事通信社]

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