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豊洲市場、かさむ維持管理費=流通形態の変化も―築地移転

2018-10-11 15:46

2年遅れでオープンした豊洲市場(江東区)は、温度や衛生管理に特化した最新鋭の設備をそろえ、築地市場(中央区)を超える生鮮食品の取扱量を見込む。一方で維持管理費は築地を大きく上回る。市場を通さない取引の増加など流通形態も変化しており、課題も多い。
豊洲は外気の影響を受けない閉鎖型の施設が売り。衛生管理を徹底し、品物の温度が変化せず冷たいまま消費者に届く「コールドチェーン」が可能となる。調理、包装できる加工パッケージ場も整備し、量販店の手間を省けるようにした。
こうしたことから、人件費や光熱水費などを含む豊洲の年間経費は、築地の3倍強の160億円に膨れ上がる見通し。施設の減価償却費などを含めた収支は年間92億円の赤字になるとの試算で、将来的には使用料の値上げや一般会計から税金を投入する必要に迫られる可能性もある。
一方で大手スーパーなどが市場を通さず生産者と直接取引をするケースが増え、全国的な品物の市場経由率は年々減少。都の中央卸売市場での水産物取扱量も10年前から65%減った。
都が8月に農林水産省に提出した豊洲の事業計画によると、2023年度の水産物取扱量を61万6400トンと推計。17年の築地の取扱量の1.6倍に当たる計算だ。都は「市場の機能強化でニーズが生まれて取扱量は増える」と強気だが、人口減が止まらない中で数字を疑問視する声もある。
[時事通信社]

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