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日産、信頼回復振り出し=企業統治の甘さ浮き彫り―排ガス検査不正

2018-07-09 21:14

日産自動車で、排ガス測定データ改ざんなどの新たな不正が発覚した。昨年秋に検査不正が明るみに出て以降、再発防止に全力を挙げる姿勢を強調してきたが、現場では今年6月中旬まで不正行為が続いていた。企業統治の甘さが改めて浮き彫りとなり、信頼回復の努力は振り出しに戻った格好だ。
「この問題の根は深く、われわれの活動は道半ばだ」。生産部門トップの山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は、9日夕の会見で苦渋の表情を浮かべた。「法令順守のメッセージを繰り返し発信してきたが、対策を深めないといけない」と再発防止策を練り直す考えも示した。
自動車業界では、昨年秋に検査不正が発覚したSUBARU(スバル)が今年3月に燃費・排ガスのデータ書き換えを認めた。日産の今回の不正は、スバルの事例を踏まえた内部調査で判明した。
山内CCOは会見で、「法令順守の意識が希薄だった」などと現場の問題点に言及。しかし、経営陣の責任を問われると「原因を深掘りし、(二度と)起きない仕組みをつくることが第一の責任だ」と述べるにとどめた。
最高経営責任者(CEO)の西川広人社長は会見に出席せず、説明責任の点では疑問符も付く。中西宏明経団連会長は9日の記者会見で、日産の不正の詳細は承知していないとしつつも、「現場の問題と考えたらおしまいだ。これはまさに経営の課題」と指摘した。
不正が相次いだスバルでは、吉永泰之前社長(現会長)がCEOを退いている。日産が今後どのように経営責任を明確化するかが焦点となりそうだ。
[時事通信社]

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