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国連事務総長あいさつ(要旨)=長崎原爆忌

2018-08-09 11:59

長崎への核攻撃の犠牲者を追悼するために国連事務総長としてこの場にいることは栄誉だ。ここにいる皆さまや、原爆による犠牲者、生存者の方々に深い敬意を表す。
長崎訪問は私個人としても非常に光栄だ。私の祖国ポルトガルは、5世紀近く前から政治、文化、宗教的に長崎と深い関係にある。長崎は単に魅力的な歴史があるだけでなく、安全な世界を造ろうとするすべての人々に刺激を与えてきた。この市は希望や強さのかがり火、人の強靱(きょうじん)性の象徴だ。
何万人もの命を奪った原爆は、あなたがたの精神は打ち砕けなかった。長崎と広島の被爆者は、日本、そして世界における平和と軍縮のリーダーとなった。大惨事を経た被爆者は人類を代表して声を上げてきた。われわれは耳を傾けなければならない。ノーモア広島、ノーモア長崎、ノーモア被爆者は実現可能だ。
73年を経ても核戦争の脅威は依然ある。日本を含め多くの人が想像もできない殺りくの恐怖の影の中で生きている。核兵器保有国は兵器の近代化のために多額を投資し、2017年には兵器や軍に1兆7000億ドル(約188兆円)以上が費やされた。冷戦終結後では最高レベルで、世界で必要な人道支援費の約80倍に相当する。
他方、軍縮プロセスは減速し、停止すらしている。昨年の核兵器禁止条約採択は、多くの国のいら立ちを表した。あらゆる種類の軍縮、特に核軍縮には喫緊の必要性がある。
ここ長崎から、すべての国に対して、核軍縮に取り組み、急を要する問題として目に見える進展をさせるよう求める。核兵器保有国には先導する特別な責任がある。
長崎を、核による壊滅的被害を受けた地球上で最後の場所にするために、みんなで取り組もう。
[時事通信社]

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