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長崎平和宣言(要旨)=原爆忌

2018-08-09 11:20

原爆は、人間が人間らしく生きる尊厳を容赦なく奪い去る残酷な兵器です。
1946年、国際連合は、核兵器などの廃絶を国連総会決議第1号としました。日本国憲法は平和主義を揺るぎない柱の一つに据えました。
昨年、多くの人々の努力が実り、国連で核兵器禁止条約が採択され、大きな貢献をした核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞しました。多くの人々が、核兵器のない世界の実現を求め続けている証しです。
しかし、今も世界には1万4450発の核弾頭が存在しています。しかも核兵器は必要だと平然と主張し、核兵器を使って軍事力を強化しようとする動きが再び強まっていることに、被爆地は強い懸念を持っています。
核兵器を持つ国々と核の傘に依存している国々のリーダーに訴えます。国連総会決議第1号で核兵器の廃絶を目標とした決意を忘れないでください。人類がもう一度被爆者を生む過ちを犯してしまう前に、核兵器に頼らない安全保障政策に転換することを強く求めます。
世界の皆さん、核兵器禁止条約が一日でも早く発効するよう、自分の国の政府と国会に署名と批准を求めてください。
日本政府には、唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約に賛同し、世界を非核化に導く道義的責任を果たすことを求めます。
朝鮮半島では非核化と平和に向けた新しい動きが生まれつつあります。日本政府には「北東アジア非核兵器地帯」の実現に向けた努力を求めます。
長崎の核兵器廃絶運動をけん引してきた二人の被爆者が昨年、相次いで亡くなりました。土山秀夫さんは核兵器に頼ろうとする国々のリーダーに対し、こう述べています。「あなた方が核兵器を所有し、またこれから保有しようとすることは、何の自慢にもならない。それどころか恥ずべき人道に対する犯罪の加担者となりかねないことを知るべきである」。谷口稜曄さんはこう述べました。「核兵器と人類は共存できないのです。こんな苦しみは、もう私たちだけでたくさんです。人間が人間として生きていくためには、地球上に一発たりとも核兵器を残してはなりません」。今、改めて「戦争をしない」という思いを次世代に引き継がなければならないと思います。
平和な世界の実現に向けて、私たち一人ひとりにできることはたくさんあります。被爆地を訪れ、核兵器の怖さと歴史を知ることはその一つです。「戦争の文化」ではなく「平和の文化」を、市民社会の力で世界中に広げていきましょう。
私たち長崎市民は核兵器のない世界と恒久平和の実現のため、世界の皆さんとともに力を尽くし続けることを宣言します。
[時事通信社]

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