特集


広島平和宣言(要旨)=原爆忌

2018-08-06 08:45

73年前、きのこ雲の下で罪もない多くの命が奪われ、街は破壊し尽くされました。息絶え絶えのうめき声、うなり声。脳裏に焼きついた地獄絵図と放射線障害は、生き延びた被爆者の心身をむしばみ続け、今なお苦悩の根源となっています。
世界にいまだ1万4000発を超える核兵器がある中、意図的であれ偶発的であれ、核兵器がさく裂したあの日の広島の姿を再現させ、人々を苦難に陥れる可能性が高まっています。
被爆者の訴えは、核兵器を手にしたいという誘惑を断ち切るための警鐘です。被爆者の声に耳を傾けることが一層重要になっています。
昨年、核兵器禁止条約の成立に貢献したICANがノーベル平和賞を受賞し、被爆者の思いが世界に広まりつつあります。一方、今世界では自国第一主義が台頭し、核兵器の近代化が進められるなど、冷戦期の緊張関係が再現しかねない状況にあります。
人類は歴史を忘れたとき、再び重大な過ちを犯してしまいます。私たちは「ヒロシマ」を「継続」して語り伝えなければなりません。核廃絶に向けた取り組みが、為政者の「理性」に基づく行動で「継続」するようにしなければなりません。
為政者は、NPT(核拡散防止条約)に義務付けられた核軍縮を誠実に履行し、核兵器禁止条約を核なき世界への一里塚とするための取り組みを進めていただきたい。
市民社会は、朝鮮半島の緊張緩和が今後も対話によって平和裏に進むことを心から希望しています。為政者が勇気を持って行動するために、市民社会は多様性を尊重しながら互いに信頼関係を醸成し、核廃絶を人類共通の価値観にしなければなりません。
日本政府には、核兵器禁止条約の発効に向けた流れの中で、国際社会が核兵器のない世界の実現に向けた対話と協調を進めるよう、役割を果たしていただきたい。
本日、私たちは原爆犠牲者のみ霊に衷心より哀悼の誠をささげ、核廃絶と世界恒久平和の実現に向けて力を尽くすことを誓います。
[時事通信社]

その他 特集記事