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停滞する核軍縮進展に決意=国連総長、長崎式典初出席へ

2018-08-05 14:39

【ニューヨーク時事】グテレス国連事務総長は9日に長崎で行われる原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に国連事務総長として初めて出席するため、7〜9日訪日する。グテレス氏は核軍縮に向けた国連の取り組みと決意を被爆者や世界に向けて表明する。核軍縮が停滞し、具体的に進展する展望がない中で、事態打開につなげたい考えだ。
国連では昨年7月に核兵器の使用や保有などを禁止する核兵器禁止条約が採択された。就任以来、核軍縮に熱心に取り組んできたグテレス氏は今年5月に発表した「軍縮アジェンダ」で、「核兵器の全面廃絶は国連にとって最優先の軍縮課題」と明記。こうした中での被爆地訪問は国連側からの働き掛けで実現した。広島の平和記念式典には2010年に当時の潘基文事務総長が初出席。潘氏は長崎も訪れたが、9日の長崎の式典には出席していなかった。
中満泉国連軍縮担当上級代表(事務次長)は電話取材に「事務総長は(原爆忌の)平和式典が非常に重要な意味を持つことを理解しており、国連の代表としての式典出席が象徴的な意味で非常に意義があることを認識している」と話す。
一方、核軍縮の議論は停滞し、核保有国と非保有国の対立はより顕著になっている。国連本部では20年に5年に1度の核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれる。既に準備が始まっているが、核保有国と非保有国の対立などから協議の難航が予想されている。
米ミドルベリー国際大学院モントレー校ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのエレーナ・ソコバ副所長は、核保有国と非保有国の双方が「意見を言い合うだけでなく、対話にオープンになることが必要だ」と訴える。そのために、包括的核実験禁止条約(CTBT)早期発効をはじめ多くの核軍縮課題の進展へ核保有国が具体的行動を取るべきだと強調。また、核軍縮への意欲を示す必要性も指摘し、核兵器使用のリスク軽減に関する声明などの検討を提言した。
[時事通信社]

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