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安保理、一致できず―ガザ衝突=米、イスラエル擁護鮮明

2018-05-16 07:37

【ニューヨーク時事】パレスチナ自治区ガザで14日、在イスラエル米大使館のエルサレム移転に抗議するデモ隊に対し、イスラエル軍が発砲し、多数が死傷した問題で、国連安全保障理事会は15日、緊急会合を開いた。安保理各理事国は、当事者に自制を促し、独立調査を求める声も相次いだ。一方、米国はイスラエル擁護を強める姿勢を改めて鮮明にし、緊急会合は安保理として一致した対応を打ち出せずに終わった。
会合開催を要請したクウェートのオタイビ国連大使は緊急会合で「イスラエルによる虐殺を最も強い言葉で非難する」と強調した。オタイビ氏は記者団に対し、パレスチナ市民を国際的に保護する決議案を16日に安保理に提示する方針を表明。ただ、イスラエルに批判的な決議案には米国が反対するとみられ、調整は難航が予想される。
ヘイリー米国連大使は緊急会合で「(イスラム原理主義組織)ハマスは米国による大使館移転決定の何年も前から暴力を扇動していた」と述べ、ガザの衝突の責任はハマスにあると主張。一方で「安保理の中で、イスラエルほどの自制心をもって行動できた国はないだろう」と述べ、イスラエルの対応を擁護した。
緊急会合では、米国の大使館移転についても安保理決議違反などと改めて批判する国が相次ぎ、エルサレム問題での米国の孤立が改めて際立った。オタイビ氏は「国際法に違反するこうした措置は平和への努力を損ない、緊張や怒りを深める」と批判。これに対し、ヘイリー氏は、大使館移転と今回のガザの衝突を関連付ける見方は「甚だしい誤り」と反論した。
「独立し透明性ある調査」(英国)を訴える国も相次いだ。ただ、安保理は14日に独立調査を求める報道機関向け声明発出を調整したものの、米国が異議を唱えて発表が見送られた経緯がある。
緊急会合後、欧州連合(EU)諸国の国連大使らは共同で今回の衝突に「深い懸念」を表明する声明を発表した。声明はイスラエル軍に対し「過剰な暴力の抑制」を求め、ハマスやデモ主導者には「挑発の回避」を訴えた。
[時事通信社]

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