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「教科書変える発見を」=水星探査機、10月打ち上げ―25年到着・日欧共同

2018-05-14 05:11

日欧が共同で取り組む水星探査計画「ベピ・コロンボ」の探査機2機が今年10月、南米の仏領ギアナからアリアン5ロケットで打ち上げられる。太陽に最も近く、地球からの観測や探査機の派遣が難しい水星は、謎に満ちた存在。研究者は「教科書がガラッと書き換わる発見があるはず」と2025年末の到着を楽しみにしている。
水星は直径約4880キロ。大きさは地球の5分の2程度で、月のように内部まで冷え切っていると考えられてきた。
ところが、地球のような磁場や火山活動の跡があることが分かり、内部には今も溶けた金属核が存在すると推定されるようになった。他の地球型惑星では太陽から離れるほど多くなる揮発性元素が、水星には火星並みにあることも判明。最初から太陽系の最も内側にあったわけではなく、より外側で誕生したとの仮説も唱えられている。
計画では、日本が開発した磁気圏探査機(MMO)と欧州の表面探査機(MPO)を、水星を回る楕円(だえん)軌道に投入。MMOは磁場を詳しく計測し、磁場を生む金属核など内部の構造や成分を調べる。MPOは水星の地形や鉱物の組成などを精密に調べる。
日本側の科学観測責任者を務める村上豪・宇宙航空研究開発機構(JAXA)助教は「大気がない水星には、生まれたての地球型惑星の情報が残されている」と説明。「地球がどうやって今の状態になり、火星や金星と異なる姿になったのかを知る重要な手掛かりにもなる」と話す。
太陽系の外では近年、水星のように恒星のすぐ近くを回る地球型惑星が見つかっている。水星を詳しく知ることは、こうした太陽系外惑星に生命が存在する可能性を調べることにつながる。
村上さんは「第2の地球があるのか、人類は孤独なのかという謎にも切り込める探査だ」と意気込みを語った。
[時事通信社]

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