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「至近距離で対峙」「武器携行」=陸自日報と別に報告―イラク派遣日報問題

2018-04-23 05:16

陸上自衛隊のイラク派遣日報問題で、2005年12月にサマワ郊外ルメイサで陸自派遣部隊がイスラム教シーア派反米指導者サドル師派の群衆と遭遇した「ルメイサ事件」について、防衛省が開示した日報に「別途報告のとおり」と記述され公表されなかった当時の派遣部隊の報告内容が23日、分かった。「警備隊員と至近距離で対峙(たいじ)」「2〜3名が武器を携行」などと、武器使用に発展しかねない状況が記載されていた。
関係筋によると当時、「イラク復興支援群」名で、日報とは別にルメイサ事件の報告書が作成された。隊員が群衆に取り囲まれた状況のほか、陸自車両12台のミラーなどが破損した被害も報告された。防衛省は「報告書があるか確認作業中」としている。
「非戦闘地域」に活動が限定されたイラク派遣では、隊員が武器使用を判断する状況下にあったかを検証する上で、日報に付随する文書は貴重な資料となる。防衛省が当時の報告状況をどこまで調査して開示するか、対応が注目される。
ルメイサ事件は現地時間の05年12月4日午前に発生。防衛省が開示した12月4日付日報には「養護施設竣工(しゅんこう)式準備中に陸自車両が群衆と遭遇。車両に被害あり」「別途報告のとおり」などと書かれているだけで、詳細は不明だ。
関係筋によると、作成された報告書は「ルメイサにおけるサドル派事務所付近 抗議行動等について」などの表題で、時系列に記述している。
報告書は、陸自部隊が午前10時37分、現場の養護施設に到着し竣工式の準備を開始したところ、サドル派事務所前に駐車した陸自車両のミラーが割られるなどの「敵対的行動を受ける」と表現。群長が出席した式典のさなか、同事務所のサドル派とみられる約50人が陸自に抗議を始めたとの説明もある。
警備隊員は午前11時半ごろからサドル派の群衆と5分程度、至近距離で対峙し「遠巻きに見ていた者2〜3名が武器を携行していたのを視認」などと書かれているという。
武器使用や隊員に死傷者が出た場合などに現場に急行する陸自の即応部隊「QRF」がサマワ宿営地で出発準備を完了したことにも言及している。イラク警察がサドル派の群衆を排除し、陸自部隊は宿営地に無事帰隊したとされている。
[時事通信社]

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