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イラク日報、泥沼化=与党に危機感、野党は追及強化

2018-04-06 23:07

イラクに派遣された自衛隊部隊の日報をめぐる問題が泥沼化の様相を呈している。陸上自衛隊に続いて航空自衛隊からも見つかったことが6日に判明。政権の信頼がさらに失墜しかねず、与党内の危機感は一段と強まっている。しかし、事態収拾の見通しは立っておらず、野党は国会での追及を強化する方針だ。
「しっかりとうみを出し切るために、もう一度それぞれの持ち場にこのような文書がないか確認してもらう」。空自の日報の存在確認を受け、小野寺五典防衛相は6日、記者団にこう強調したが表情は暗かった。
存在しないとされた陸自のイラク日報が見つかったと小野寺氏が発表したのは2日。把握から公表まで1年以上を要したことが4日に発覚した。さらに航空幕僚監部にも日報が保存されていたことが6日に分かり、状況は悪化する一方だ。
安倍晋三首相は6日夜、秋山光人日経映像顧問らと会食し、「(自衛隊の)最高指揮官は自分なので、防衛相を通じて真相解明などの指示をしっかり進める」と強調した。秋山氏が記者団に明らかにした。政権はあくまで「防衛省で対応する話」と位置付け、影響が首相に及ぶのを極力抑えたい考え。菅義偉官房長官は記者会見で「1週間に3回も防衛相がおわびする事態となった」と同省に怒りの矛先を向けた。
だが、政権が自衛隊を掌握できていないとの印象が広がれば、批判は与党にも向きかねない。
公明党の井上義久幹事長は6日の会見で「シビリアンコントロール(文民統制)の観点で極めて深刻な問題だ。文民統制に国民が懸念を持つようなことがあっては断じてならない」と語った。自民党関係者は「最悪だ。緩んでいるという域を超えている」と懸念を示した。
立憲民主党など野党6党は、安倍政権を追い詰める好機と捉え、攻勢を強める。責任追及に向けて国会で「不存在」と答弁した稲田朋美元防衛相や当時の制服組の国会招致を要求。日報そのものの早期開示も迫る考えだ。
来週は9日の参院決算委員会など、連日のように審議日程が控えている。立憲の辻元清美国対委員長は6日、記者団に「自衛隊が一体どういう活動をしてきたかも検証すべきだ」と述べ、与党をけん制した。
[時事通信社]

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