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安定継承、待ったなし=天皇退位

2017-04-21 19:16

天皇退位に関する政府有識者会議の最終報告書がまとまり、退位実現へ大きく前進した。政府は今国会での関連法整備を急ぐが、先延ばしできないもう一つの課題が安定的な皇位継承の問題だ。最終報告書はこの点に触れており、政府には速やかな対応が求められる。
報告書は、今の陛下が退位する場合の制度設計が中心だ。一方、「おわりに」で、陛下の退位と皇太子さまの即位後に言及。「皇族数の減少に対してどのような対策を講じるかは一層先延ばしのできない課題となってくる」と指摘し、「皇室のご活動が維持されていくためには、速やかに検討を行うことが必要」と訴えた。
実際、陛下の孫の世代で男性皇族は秋篠宮さまの長男、悠仁さま一人。皇太子ご夫妻の長女、愛子さまら7人の女性皇族は、皇室典範の規定で結婚すれば皇族の身分を失う。報告書は「将来、悠仁さまと同年代の皇族が一人もいなくなることも予想される」と警告している。
皇位継承問題が前に進まないのは、安倍晋三首相が女性・女系天皇や女性宮家創設に慎重とみられることがある。旧民主党の野田政権で検討された女性宮家は、後を継いだ第2次安倍政権で立ち消えになった。首相は1月の衆院予算委員会で、退位と別に皇位継承問題を検討する考えを示したが、具体的な動きは見えてこない。
首相は保守派の根強い慎重論に配慮しているとみられるが、何らかの手だてを講じなければ、皇室の安定性を損ないかねない。具体的な検討は待ったなしの状況だ。
[時事通信社]

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