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「核の悲惨伝える責任」=反原発訴訟原告の被爆者―妹の死が転機に

2018-08-05 14:55

 広島地裁では、四国電力伊方原発(愛媛県)再稼働差し止め訴訟の審理が続いている。原告のうち42人は広島、長崎の被爆者だ。原告団長の堀江壮さん(77)=広島市=と副団長の伊藤正雄さん(77)=同=は「核の後遺症はいつまでも残る」と語り、悲惨さを知る被爆者が行動することは「将来への責任」と訴える。
 73年前、堀江さんは爆心地から約3キロの場所で被爆。母と姉、兄はいずれもがんで死去した。爆心地にいた伊藤さんの兄は全身を大やけどして亡くなり、姉は遺骨すら見つからなかった。4歳だった堀江さんと伊藤さんの記憶には、おびただしい数の遺体を荼毘(だび)に付す臭いが焼き付いている。
 「原発はやめるべきだ」。伊藤さんが反原発運動に本腰を入れるようになったのは、東京電力福島第1原発事故が起きた直後の2011年3月15日に、1歳年下の妹が亡くなってから。「両親や兄、姉より妹の時の方がショックだった」と振り返る。
 妹は甲状腺障害があり、息子も甲状腺の手術を受けたことを、「自分が被爆者だからがんが出たんでなかろうか」と死の間際まで気に掛けていた。伊藤さんは、核の平和利用をうたう原発を肯定していたが、妹の死で考えを変えたという。
 12年度に広島市が始めた『伝承者』としても活動。平和記念資料館やバーで幅広い世代に、自身と12歳で被爆した「原爆乙女」の松原美代子さんの体験を紹介。手製の折り鶴を渡し、「私たちのような悲惨な体験を誰にもしてほしくない。同じ過ちを繰り返さないため忘れてはいけない」と語り掛ける。
 広島高裁は17年12月、訴訟と別の仮処分申請で、伊方3号機の運転差し止めを命じた。四国電は異議を申し立て、審理は継続中。堀江さんは「後の世代のためにやっとかなきゃ。何もやらんかったらまずい。いや応なしに負の遺産を背負わせている」と語った。 
[時事通信社]

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