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問われる「費用対効果」=凍土壁完成、福島第1―東日本大震災7年

2018-03-10 04:43

 東京電力福島第1原発の汚染水対策として、原子炉建屋などを囲むように造られた凍土遮水壁。巨費を投じた「氷の壁」について、政府の汚染水処理対策委員会は「建屋に地下水を近づけない水位管理システムが構築された」と効果を認めた。ただ、試算は雨が少ない時期のもので、費用対効果も明確ではない。タンクにたまった汚染水は今月1日、105万トンを超えた。
 高濃度汚染水がたまった1〜4号機建屋には地下水が流れ込んで汚染水を増やし、廃炉作業の大きな障害となっている。凍土壁は地下30メートルまでパイプを打ち込んで冷却液を流し、土壌を凍らせて全長1.5キロに及ぶ氷の壁で建屋を囲み、流入量を抑える。
 東電によると、地下水や雨による汚染水の増加量は凍土壁完成前で1日490トン。完成後の2017年12月〜18年2月は同110トンと4分の1に減ったが、これは地下水をくみ上げる「サブドレン」「地下水バイパス」、地面を舗装し雨の浸透を防ぐ「フェーシング」などを合わせた効果だ。
 東電は凍土壁単体では1日95トンの汚染水増加を防ぎ、発生量を半減させていると試算した。しかし、雨の少ない冬季のデータに基づく試算で、台風などが来る夏季の効果は明確ではない。
 凍土壁の建設は国が345億円を負担。東電も年十数億円の維持費を支払う。今月7日の汚染水対策委では、「降雨時に汚染水が増えては困る」「費用対効果は十分あるのか」との意見が出た。
 東電福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏代表は、凍土壁を5年間運用すれば約15万トンの汚染水発生を抑え、100個以上の貯蔵タンク設置が不要になると強調。「(効果は)間違いなく345億円では利かない」と述べたが、具体的な金額には言及しなかった。
 意外な抜け道も明らかになった。今年2月、凍土壁付近の排水路を工事中、せき止めた水が凍土壁を貫く管から逆流して壁の内側に流入した。排水路が大雨で増水した時も、この管から建屋に大量の水が流れ込んだ可能性がある。
 東電は今後、同じような構造物を精査。水素爆発で建屋の屋根に開いた穴をふさぐなど、対策を続ける。 
[時事通信社]

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